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ピロリ菌は、1980年代に発見された比較的新しい細菌です。胃の粘膜を好んですみつき、胃酸から逃れるために粘液の下にもぐり込んでいます。日本人の場合、40歳未満でピロリ菌に感染している人は2〜4割と少ないのですが、40歳以上になると 8割の人がピロリ菌に感染していると推計されています。これは戦後の衛生状態が悪かったことが原因として考えられています。
国別では、北米・ヨーロッパに比べ、東南アジア・アフリカに多いのも衛生状態の地域的な違いによるもののようです。ピロリ菌陽性で萎縮(いしゅく)性胃炎のある人では、胃がんになる 確率が健康な人の約4倍といわれています。世界保健機構 (WHO)でも、ピロリ菌を発がん因子と規定しています。5年前にそのメカニズムが解明されましたが、ピロリ菌と胃がんの因果関係の高さは、タバコと肺がん、C型肝炎ウイルスと肝臓がんの関係と同程度のリスクになっています。さらにピロリ菌は悪性リンパ腫や狭心症・心筋梗塞(こうそく)の発症にも関与していると指摘されています。アメリカでは、潰瘍(かいよう)既往症の無い人でもピロリ菌に感染している人には、健康保険で除菌療法が行われていますが、日本でも胃・十二指腸潰瘍のある人の除菌治療には健康保険が適用されるようになりました。
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