北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「慢性咳嗽(がいそう)」についてお話を伺いました。
ゲスト/大道内科・呼吸器科クリニック 大道光秀 医師

 しつこく長引くせきについて教えてください。
 

 せきが8週間以上続く場合を専門的には慢性咳嗽といいます。その原因を大きく分けると、(1)肺がん (2)微生物による感染症(結核、マイコプラズマ肺炎など) (3)アレルギーによるもの (4)間質性肺炎 (5)肺気腫などがあります。原因を調べるために、胸のレントゲン撮影、たんの検査、肺機能検査をします。マイコプラズマ肺炎、結核、間質性肺炎などはレントゲン写真で異常な影があることから分かります。小さな影はコンピューター断層写真(CT)を撮ることで診断します。結核は過去の病気と思われがちですが、抵抗力の落ちた高齢の方がかかりやすく、集団感染をも引き起こします。良い薬がありますので、きちんと服用すれば6カ月で治ります。

 
 最近では、どのような原因が多いですか。
 
 最近多いのが、アレルギーによるせきです。熱がなく、レントゲンも正常なのに、せきが続く場合は、アレルギーによるせきが考えられます。日中よりも夜間に多く、せきで眠れないこともあります。これには、(1)せきとぜんそく、(2)アトピー咳嗽の2種類があります。以前は、ぜんそくというとゼーゼーするのが特徴でしたが、最近はゼーゼーのない、せきだけの「せきぜんそく」が増えています。ゼーゼーするぜんそくは、肺機能検査をすると分かります。ゆっくり吸ったり吐いたりする肺活量は正常ですが、大きく吸って、一気に吐く量(1秒量)が低下します。しかし、せきぜんそくでは1秒量も正常のため、喘息かどうか決めるのが難しいです。せきぜんそくの場合、気管支拡張剤が効きます。一方、アトピー咳嗽は、ハウスダストや花粉などアレルゲンによってアレルギー性のせきが続くのですが、気管支拡張剤が効かず、抗アレルギー剤が効きます。この両者を区別するのは、せきせんそくでは3割がゼーゼーするぜんそくに移行するので、ぜんそくの治療を長く続ける必要があるからです。アトピー咳嗽では、アレルゲンを突き止め、発生する季節のみ、せき止めと抗アレルギー剤を服用するだけで良いです。少ないながら、最近増えてきた原因として、逆流性食道炎に伴うせきがあります。逆流性食道炎の薬がよく効きます。せきが続くと体力を消耗させます。原因を特定し、それに合った治療を受けましょう。