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けがで生じた傷、特にすり傷(挫傷や擦過症)は、乾燥させれば早く治ると考えている人が多いのですが、まったく逆です。すり傷を乾かすとかさぶたができますが、治りきっていない状態ではがすと、出血しやすいジクジクしたなま傷が姿を現します。かさぶたの下には湿潤な傷があり、それをかさぶたが覆い乾燥を防いで傷を治すための環境を作っているのです。それならば、最初から傷を乾かさずに、かさぶたを作る手間を省けば、早く傷が治るということになります。早く治れば、それだけ瘢痕(はんこん)が少なく、きれいに治癒します。また、すり傷などの表面には、傷の再生に必要な表皮細胞や線維芽細胞が多数存在しています。細胞が生きていくには水分が不可欠です。さらに、これら表皮細胞や線維芽細胞は、サイトカインという傷を治すのに必要な成分を分泌します。乾燥した環境では、表皮細胞や線維芽細胞は生きていけず、それらから出るサイトカインの効果は発揮されません。
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