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ヘリコバクター・ピロリは、1980年代にオーストラリアの医師によって発見され、その後の研究によって胃や十二指腸の潰瘍(かいよう)の原因ということが明らかになりました。ピロリ菌に感染すると細菌自身が産出するサイトトキシンなどによる直接傷害と白血球や免疫細胞などによる間接傷害によって胃粘膜に傷が付き、慢性活動性胃炎が生じて胃粘膜がもろくなり、胃潰瘍が発生しやすくなります。発展途上国に多く、先進国に少ないといわれていますが、日本の感染者は約6000万人以上と推定されます。中でも、40歳以上で高率となります。感染するのは胃粘膜のみで、消化性潰瘍患者の7〜8割が陽性です。従来は、薬剤を用いて潰瘍を治癒させても、内服を中断すると高い確率で再発していました。そのため、消化性潰瘍疾患には薬剤服用を維持することが不可欠でした。しかし、ヘリコバクター・ピロリの研究が進むにつれ、除菌に成功すると維持療法なしで再発がほぼ抑制されることが明らかになりました。日本では2000年11月からヘリコバクター・ピロリの診断と治療が、健康保険適用になり、難治性潰瘍や再発性潰瘍に悩んでいた人にとって大きな福音となりました。また、胃がんとの因果関係も解明されつつあり、除菌による胃がんの減少が期待されています。
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