北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「顎(がく)変形症」についてお話を伺いました。
ゲスト/北大前矯正歯科クリニック 工藤 章修 医師
 顎変形症とはどのような症状でしょうか。
 

 顎(あご)の発育に問題があり、顎が大きく突き出していたり、左右どちらか片方にずれている場合などをこう呼びます。顔全体の変形を伴うこともあり、日本人の場合は、下顎が突き出し、下の歯が上の歯の前にある受け口と呼ばれている下顎前突症がもっとも多く見られます。原因は成長時期の発育異常がほとんどです。咬(か)み合わせの異常を伴う場合が多く、食べ物をうまくかめない、発音が不明瞭、顎の筋肉がだるいなどの症状が見られます。このような機能的な面での問題のほか、審美的な面での悩みを持っている方も多いのが現実です。

 
 実際の治療はどのように行うのでしょうか。
 
 ここで説明するのは、外科手術を伴う治療に関してです。治療期間全体は1年半から3年程度を見込みます。最初に半年から1年間、手術前の矯正治療をして、歯並びを正常にします。その後、外科手術によって、上顎と下顎の骨を移動し、顎の形や咬み合わせを正常にします。主に手術は口の中から行われるため、顔に手術跡が残ることはありません。手術自体の危険性はきわめて低く、入院は1週間から3週間程度です。その後半年から1年、手術後の矯正治療を行って咬み合わせの調整をします。年齢的には成人か高校生以上が対象で骨の成長が止まってからの治療になります。かつて、このような治療は大学病院など高度先進医療機関でのみ実施されていましたが、現在では、都道府県が指定した更生医療機関の矯正専門医が口腔(こうくう)外科、形成外科と協力をして行えるようになりました。また、一般の矯正治療は保険診療の対象外ですが、外科治療を伴う場合はすべて保険診療対象となります。お話しした症状でお悩みの方は、一度矯正専門医にご相談ください。治療期間が長期にわたるため、信頼できる病院選びが肝心です。また、転勤、進学など、治療途中に移転する可能性がある場合は、他地域の専門医に責任を持って治療を連携できるかを事前に確認することも必要です。