北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「裂肛(れっこう)」についてお話を伺いました。
ゲスト/札幌いしやま病院 吉田和義 医師
 裂肛とはどのような症状でしょうか。
 

 疼(とう)痛を伴う良性の肛門疾患のひとつで、いわゆる「切れ痔(じ)」です。肛門上皮(口でたとえると唇にあたる部分)が、硬い便の通過などによって裂けることで裂肛になります。年齢、性別にかかわりなく発症しますが、男性より女性が若干多いです。肛門の後方が最も多く、次いで前方、その両方という方も珍しくはないです。肛門の側方が切れることはめったにありません。初期の裂肛の主な症状は、排便時の疼痛と出血で、この時点でほとんどが軟膏(なんこう)などの薬物療法で治癒します。しかし、下痢や便秘が続いたり、繰り返したりする場合は、なかなか裂肛が治癒せず、慢性化して肛門潰瘍(かいよう)に進展する場合があります。潰瘍の口側には肛門乳頭が肥大した肛門ポリープ、皮膚側には皮膚が炎症でたるんだ「みはり疣(イボ)」を伴うことが多く、出血は少なくなるものの、排便時はもとより排便後の疼痛が数時間から半日以上も続くことがあります。これは、炎症が内肛門括約筋まで波及し、肛門が狭くなったためです。

 
 どのような治療方法がありますか。
 
 慢性化して肛門潰瘍になり肛門狭窄(きょうさく)になった場合、括約筋切開術、裂肛切除など外科的治療を施行します。中でも、ほとんどの症例に施行でき、患者の負担が軽いのは、用手肛門拡張術です。これは、安全な部分麻酔を行った後、手によるマッサージで伸展性の悪くなった肛門を本来の肛門の広さに戻し、伸展性を回復させるものです。その際、肛門ポリープ、みはり疣は切除しますが、潰瘍部分には手を加えず、入院も必要ありません。翌日から排便は楽になり、3、4日も経(た)てば排便時痛はほとんど感じなくなります。潰瘍は2週間前後で治癒します。裂肛の予防としては、便通を整えることが大切です。食物繊維を多く含んだ規則正しい食事、便意を我慢しない、睡眠を十分にとるなど、日常生活を見直すことが大切です。また、若者の裂肛の場合、クローン病などの炎症性腸疾患を合併している可能性もあるので、早めに専門医を受診してください。