北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
気になる健康と医療について、
専門のお医者さんが、わかりやすく解説する情報ページです。
〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「胆のう」についてお話を伺いました。
ゲスト/秀愛会 内科・消化器科クリニック 高梨 良秀 院長
 胆のうの病気についてお聞きしたいのですが。
 

 胆のうは、肝臓でつくられた胆汁を貯蔵し、必要に応じて十二指腸に流す臓器です。胆汁には、脂肪の消化、吸収を助ける働きがあります。胆のうの病気に多いのは、胆のうポリープや胆石症です。まず検診でポリープが見つかった場合、特殊な例を除き、5汕ネ下なら良性、それ以上なら大きくなるにつれて悪性疾患(ガン)である危険性が高くなるといわれています。良性で5汕ネ下であれば、検診も一年に一度で大丈夫です。悪性の疑いがある場合は、3カ月から半年に一度の検診をおすすめします。すでに15汕ネ上ある場合、または2度目の検診でポリープが急速に大きくなっている場合は、手術の必要が考えられます。胆のうは、現在のところ、胃カメラのように組織を採取する検査方法が確立されておらず、ポリープが良性か悪性かの判断が非常に難しい臓器です。早期ガンの発見も難しく、黄疸(おうだん)や痛みなどの症状が現れるのは末期になってからです。医師は、ポリープの大きさ、大きくなるスピード、形などあらゆる要素から手術の必要性を判断し、患者の承諾の上で手術を行うのが通例です。ポリープが発見された場合は、より専門性の高い医師の診断を受けることをおすすめします。

 
 胆石症についてお聞きしたいのですが。
 
 胆のうに結石ができる胆石症は、痛みがない患者の75%が自覚症状を感じないまま一生を終えるといわれています。結石自体はそのままでも問題ないことが多いですが、検査の際、石の影に隠れてポリープやガンの発見が遅れることがあります。また、胆のうから総胆管(そうたんかん)に落ち、十二指腸の入り口に石が詰まると、疼(とう)痛や胆汁の流出障害が起こり、細菌に感染した結果、急性胆のう炎や胆管炎などを引き起こす恐れがあります。そのため、結石が見つかると、内視鏡的に胆のうごと摘出する手術を選択する人が増えています。胆のうを摘出しても、日常生活には差し支えありません。胃痛を訴え、検査した結果、異常が発見されなかった人の中に、胆のう疾患の患者がいることもしばしばあります。