北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「季節の変わり目の子どもの体調」についてお話を伺いました。
ゲスト/札幌東豊病院 秋原実先生
 寒くなってきましたが、この季節子どもたちも体調を崩しやすいと思いますが。
 

 今頃から冬にかけて多いのはウイルス性の胃腸炎です。下痢や嘔吐(おうと)症状 がありますので、お母さんはびっくりして病院に駆けつけますが、重度な症例は多く ありません。下痢止めや吐き気止めもほとんど処方する必要はありません。ただ、水 分が摂取できず、ぐったりしている子どもは点滴が必要になります。一番大切なこと は、お母さんが冷静になることです。吐いてしまったら最低1〜2時間は何も与えず様 子を見ましょう。その後、少しずつ水分を与え始めていきます。下痢も同様です。昔 よりは、絶食時間はおきませんが、焦ってものを与えることはいけません。便と一緒 に出血がある、ぐったりしているなどの症状を伴うときは、腸重積などの可能性もあ りますので受診が望ましいでしょう。便が軟らかい、水っぽいといっても、本人が元 気であれば焦る必要はありません。ただ、大人は下痢が治まり始めるとすぐに食べさ せようとします。小腸の粘膜が再生するには100時間程度かかるとのことですから、 いきなり「栄養のあるもの」といってタンパク質や糖分の強いものを与えてはいけま せん。前述の点滴を金科玉条としているご両親が少なくないのですが、あくまでも点 滴はやむを得ず実施するということを徹底したほうがよいでしょう。

 
 冬は風邪やインフルエンザの季節でもありますが、どのようなことに注意すればいいでしょう。
 
 インフルエンザについては、ワクチン接種が有効な予防になります。幼稚園や保育 園など集団生活を送っている子は、ワクチンを打っておくといいでしょう。風邪の予 防には昔ながらの手洗いとうがいが一番です。特別な薬品や石けんは不要です。それ から、風呂(ふろ)上がりに小さなお子さんを「湯冷めしないように」と、すぐに布 団に入れるのはよくありません。昔の住宅事情と違い、家に風呂があり、室内も暖か いのですから、汗がひくくらいは待ってから寝かせましょう。  全般に言えるのは、薬に頼り過ぎないことです。薬には必ずマイナス面もあること を考えるべきでしょう。子どもには自分で回復する治癒力があります。大人の都合で 治るものではありませんので「2日後に旅行なので治して」ということは無理です。 「治す」ではなく自分で「治る」ために、病院や薬を上手に利用して、子どもの健康 を見守りましょう。