北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「腹痛」についてのお話を伺いました。
ゲスト/土田病院 土田 茂 先生
 腹痛についてお聞きしたいのですが。
 

 腹痛を感じたとき、だれもがまず思い浮かべるのは食べ過ぎ、飲み過ぎではないかということですが、実際、腹痛にはいろいろな原因が考えられ、その原因となる病気によって現れ方にかなりの特徴があります。また、家庭で安静にしているうちにおさまってしまう腹痛も確かにありますが、それだけでは快復せずに悪化の一途をたどってしまう種類のものもあります。いずれにしろ腹痛は、からだに異常が生じている知らせなので、痛みが強いとき、痛みが長く続くとき、痛みだけではなく発熱、嘔吐(おうと)、下痢などを伴うときには、早めに医師の診断を受けることが大切です。個人差はありますが、一般的な目安としては、痛みが5〜10分毎の波を持って襲ってくるタイプのものではなく、20〜30分以上の間ずっと持続するようであれば、医師の診断を必要とするケースが多いと思われます。

 
 腹痛を症状とする代表的な病気にはどのようなものがありますか。
 
 最も多く見られるのはウイルス、細菌による腸炎です。37度から38度くらいの発熱があり、腹部全体に強い痛みを感じます。また、消化吸収がうまくいかないため下痢が続きます。これは病院での点滴、整腸剤の投与、および絶食による治療を必要とします。俗に盲腸炎と呼ばれる急性虫垂炎の可能性も考えられます。急性虫垂炎は、盲腸の先端にぶら下がっている5cmほどの管、虫垂に炎症が起きる病気です。最初、みぞおち付近に痛みを感じ、徐々に痛みは右下腹部へと下りていきます。症状が悪化していれば、手術によって虫垂を切除するほかありませんが、早期であれば抗生物質を投与することで切らずに直せる場合もあります。いわゆる薬で散らすという治療法です。意外に知られていませんが、急性虫垂炎のときには下痢よりも便秘気味になることが多いようです。また、食後に激しい腹痛を起こす場合に考えられるのは、胆石症です。この痛みは胆石を胆のうから排出するため、胆のうが強いけいれんを繰り返して起こるものです。みぞおちの右側、肋骨の下あたりに強烈な痛みを感じ、発熱、時には黄疸(おうだん)の症状が現れることもあります。横になったり座ったりと、とにかく痛みが激しく、緊急手術の対象にもなります。ストレスの多い現代では胃潰瘍・胃炎による腹痛も見逃せません。これは上腹部にチクチクした痛みを覚え、発熱はありません。初期のころは我慢できる程度の痛みであるため、悪化させてから来院されるケースも目立ちます。これも専門的な治療が必要となります。
 
 家庭での腹痛の応急処置にはどのようなものがありますか。
 
 家庭での応急処置としては、まずお腹(なか)をカイロや腹巻きなどで温め、安静を保つことです。これは、腹痛というのは基本的には腸の筋肉が収縮することによって起こるものなので、温めてあげることでそれを和らげることになるからです。次に、食欲がある場合には、なるべく消化の良いものを口にすることです。例えば、米飯はあまり消化に良くないので、おかゆなどに調理した方がいいでしょう。市販の薬は、日ごろ使い慣れているもので効果が表れるのなら使用してもいいです。ただ、特に発熱を伴う腹痛は治療が必要なケースがほとんどですから、家庭で様子を見るよりもすぐに病院で治療を受けることをおすすめします。