北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「蕁麻疹(じんましん)」についてのお話を伺いました。
ゲスト/小泉皮膚科クリニック 小泉 洋子 先生
 蕁麻疹についてお聞きしたいのですが。
 

 蕁麻疹は、かゆみとともに突然皮膚が赤くみみずばれのように盛り上がる膨疹(しん)が生じ、多くの場合数時間後にはあとかたもなく消えてしまう、皮膚疾患のひとつです。真皮(しんぴ)の肥満細胞が刺激され、ヒスタミンを中心とする化学伝達物質が遊離(ゆうり)することで引き起こされます。原因は、食物、防腐剤・人工食品着色料などの食品添加物、アスピリンなどの薬剤、カゼ・ウイルス性肝炎などさまざまな感染症、温熱・寒冷、日光、他の疾患に関連したものなど、多くのものが挙げられています。

 
 蕁麻疹の治療についてお聞きしたいのですが。
 
 蕁麻疹における検査は、原因の検索がその主目的となります。受診時に発疹があるとは限りませんので、注意深く問診を行い診断し、原因を考えていきます。通常、全身状態を把握するための一般診察、血液検査、肝臓機能検査、検尿、アレルギー反応の関与を知るためのアレルゲン皮内検査なども行います。治療は、原因物質の除去、もしくは回避になります。慢性蕁麻疹の多くは原因不明で、飲酒・ストレスなど増悪因子をできるだけ避けるように指導しながら、薬物により蕁麻疹が発現しない状態に保つ治療を行います。かなりの症例が満足すべき状態まで改善されますが、根気よく治療する必要があります。
 
 薬物による治療はどのようなものですか。
 
 薬物療法では、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤を用いるのが一般です。通常の蕁麻疹は主としてヒスタミンによって引き起こされているため、抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン作用を持つ抗アレルギー剤を投与します。急性蕁麻疹ではこれらの薬剤の投与によって1週間以内に大部分の症例は治癒し、慢性蕁麻疹においても2〜3週間で多くの症例に改善が見られます。副腎(じん)皮質ホルモンは、急性の全身症状が激しい場合に用いられます。そのほか、各種の漢方薬などの内服薬、またヒスタミン加ヒトγグロブリン製剤などの注射薬を用いることもあります。薬剤には多数の製品がありますが、その効果および副作用の発現には、各薬剤また各個人によってかなりの差が見られます。各薬剤の特徴を十分に知った上で治療を開始し、常に症例における有用性を確認しながら、薬剤の変更、追加を行います。なお、最近では難知性の慢性蕁麻疹に対して、血しょう交換あるいはγグロブリンの経動脈的大量投与などの治療法も試みられています。