北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「抑うつ状態」についてのお話を伺いました。
ゲスト/札幌こぶしクリニック 藤田 毅 先生
 抑うつ状態についてお聞きしたいのですが。
 

 抑うつ状態は、強いストレスを受けることなどが原因で、脳内ホルモンの分泌・再吸収に支障をきたすことによって発生すると考えられています。現代はうつの時代だといわれています。いろいろな理由が考えられますが、第一に私たちの周辺にはいかにもストレスが過剰に溢れていることが挙げられます。第二には、抑うつ状態は生理的な病気ではありますが、状況の変化によって発病が促進されたり、症状が増悪したりするものです。現代人の周辺は目まぐるしく変化しますから、うつ傾向のある人はついていけなくなるのです。他には、老年人口の増加とともに、身体的な持病を持つ老人や神経症的葛藤に悩む老人も増えています。抑うつ状態は、心の面においては「気分の落ち込み」「意欲の低下」「不安の亢進(こうしん)」、体の面においては不眠、けん怠、発熱、頭痛といった症状が表れます。自分が抑うつ状態にあるかどうかを判断するのには、自らの意志で上向きな精神状態に回復することができるかどうかがポイントになります。うつに類似の心理状態は、正常時にもしばし見られるものですが、それは、頑張ろうとする意志の力で打開することが可能です。ところが、抑うつ状態の場合には、頑張ろうとすればするほどに、落ち込みようが激しくなっていきます。回復できない自分に腹を立ててみても、症状は悪化するばかりです。さらに重症になると、なにもかもがどうでもよくなってしまい、部屋から出ることさえも面倒になってきます。男性は過労によるストレス、女性は人間関係のストレスが原因で抑うつ状態に陥(おちい)るケースが多く見られます。

 抑うつ状態の治療法についてお聞きしたいのですが。
 
 抗うつ薬、抗不安薬などの投薬による薬物療法と支持的精神療法、認知療法などの精神療法を同時に行います。精神療法とは、簡単に言えば、患者さんの話を聞くことで、ストレスを発散し、心の中を整理していく手助けをする治療法です。対話の中から患者さんの抱えている問題点を明確にして、その対策を一緒に考えていきます。患者さんとは違った観点からの考え方を提示してあげることで、現状を認識する方法を少しずつ見直していき、ストレスの原因となっている物事への適応力を高めていきます。抑うつ状態は心のカゼのようなものです。ただ、体ではなく心の病であるだけに、治療には時間を要します。軽い抑うつ状態であれば、3カ月以内の回復が見込めますが、こじらせてしまうと慢性化してしまい治療も長期化します。抑うつ状態では早期治療がなによりも大切といえます。