北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「性感染症」についてのお話を伺いました。
ゲスト/札幌東豊病院 南 邦弘 先生
 性感染症についてお聞きしたいのですが。
 

 性感染症とは主として性行為に伴う性的な接触が原因となって、直接ヒトからヒトへ、皮膚や粘膜を通して病原微生物(寄生虫、原虫、細菌、クラミジア、ウイルスなど)が感染することによって生じる疾患の総称です。代表的なものとしては、淋(りん)病、クラミジア、梅毒、ヘルペス、尖形(せんけい)コンジローム、そしてエイズなどが挙げられます。その他にも、トリコモナス、アメーバー赤痢(せきり)、毛虱(けじらみ)、疥癬(かいせん)などがあります。最近、最も増えてきている性感染症がクラミジアです。男性の場合は、尿道からの分泌液や排尿時の違和感などの症状が現れることが多いのですが、女性の場合のほとんどが無症状であるため、一般に広く蔓(まん)延してしまっている状況です。卵管の炎症を招き、不妊や子宮外妊娠の原因となり、また、妊婦が感染していて、生後まもないえい児に結膜炎や肺炎などクラミジア感染が発症するケースもあります。現在、妊婦においてはクラミジア感染の有無のスクリーニング検査が広く行われています。淋病も女性ではなかなか症状が現れないため、子宮内膜炎や骨盤内の炎症を起こすなど、かなり症状が悪化するまで気付かないケースが多く見られます。尖形コンジロームは、男性は包皮、亀頭部、女性は陰唇、尿道口などにできるいぼです。一般的に痛み、かゆみ、出血はありませんが、恐ろしいのは、原因となる約80種類のウイルスのうち、子宮頚ガンの原因ともなる悪性のものを含むことです。

 性感染症を防ぐためには、どのような事に注意すれば良いのでしょうか。
 
 安易な性交渉を避け、パートナーを一人に特定すること、そして、性交渉の際には必ずコンドームを使用することです。性感染症は、特に複数の人と性交渉がある人ほど感染率が高くなります。性交渉によって男性から女性、あるいは女性から男性と相互に感染する危険があるわけです。性感染症の多くは一旦治癒した後も、再び新たに感染することもあるので、患者だけでなく、感染はしているが、まだ症状が現れていないパートナーの診療も併せて行い、再感染を防止することが重要です。先進国で淋病、コンジロームが減らないのは日本だけです。それは、例えば、直接的な性行為ばかりではなく、口による性行為からも感染する可能性があることや性感染症によって不妊症や子宮外妊娠が起こる可能性があることなど、性行為の安全性に関する知識が驚くほど浸透していない現状を表しています。性感染症で最も恐ろしいエイズ、そして性感染症がひとつの要因となり得る子宮頚ガンを防ぐためにも、年齢を問わず性交渉のある方なら、年に一度は検診を受ける必要があります。