北海道新聞メディカルガイドの連載
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「胃ガン」についてのお話を伺いました。
ゲスト/秀愛会内科消化器科病院 高梨 良秀先生
 胃ガンの症状についてお聞きしたいのですが。
 

 胃ガン、特に早期ガンには、痛みがひどくて食べられないとか、げっそりと痩(や)せ細ってというような諸症状が全く感じられません。痛みが無いのが特徴と言えるかもしれません。早期の段階で、痛み、違和感などを感じたとしても胃潰瘍(かいよう)より軽い程度の症状で、さほど気にならない場合が多いようです。ですから、もし胃ガンのせいで、痛み等を伴うのであるならば、それは胃ガンが相当進行しているという可能性が考えられます。

 どのように胃ガンは発見されるのですか。
 
 胃ガンは痛みや違和感が無いせいで、患者さんへの自覚症状が乏しく、発見が非常に難しい病気のひとつです。ですから、胃カメラ検査などで偶然見つかるケースが多いのも特徴です。現に、胃潰瘍や胃炎などで、胃カメラをのんだ患者さんの中に胃ガンが偶然発見されるケースが多く見受けられます。また、健康診断のバリウム検査で発見できる場合ももちろんありますが、胃カメラよりも発見率は低いのが現状です。
 胃ガンの治療法は。
 
 早期ガンであれば、胃カメラを使用して胃の粘膜切除をすることで、昔のように、胃の3分の2を切るようなこともなく、胃を全く切らずに治療することができます。この治療法であれば、術後、幾月か絶てば粘膜も自己再生し元に戻ります。また、5年生存率は90%以上とほぼ完治に近い治療が保証されています。一方で、進行ガンに関しては、従来のように胃を切除する治療が中心となりますが、胃をどのくらい切除するかはガンの進行具合によってさまざまです。
 胃ガンの予防法は。
 
 予防法というよりは、特にガン年齢である40代後半から60代での早期発見の勧めなのですが、定期的な胃カメラ検診をおすすめします。よっぽどの進行ガンでなければ半年で肝臓に転移するようなこともありませんから、心配性の人で半年に1回、一般の人でも1年に1回でも胃カメラ検診をすれば、胃ガンへの早期発見、早期治療へとつながります。胃カメラをのむという行為は決心のいることだと思いますし、コストのかかることでもあります。しかし、痛みのない疾患だからこそ、ちゃんと定期的な検診をして、最悪の事態に備えたいものです。
 定期検診など胃カメラよりバリウムでの検査の方が多いように思えるのですが。
 
 大きな病院の中にはバリウムの代わりに胃カメラで胃の検診を行っているところも最近出てきています。しかし、そういったところはまだごく少数で、基本的には環境的な問題や、労力、効率上の問題で胃カメラ検診ができないというのが一般的な病院の状況です。胃カメラ検診というのは、バリウム検査に比べて検診時間も長く、一日で検診できる件数がはるかに少ないわけですから、人間ドッグのように一日にたくさんの患者さんを診察するような検診にはあまり適していないということもあるかもしれません。