北海道新聞メディカルガイドの連載
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「前立腺(せん)肥大症」と「前立腺ガン」」についてのお話を伺いました。
ゲスト/元町泌尿器科 西村 昌宏 先生生
 前立腺肥大症とはどのような症状を指すのでしょうか?
 

 前立腺は男性特有の臓器であり、膀胱(ぼうこう)の出口で尿道を取り巻いている組織です。加齢とともに前立腺が肥大し始め、次第に尿道を圧迫し、尿の出が悪くなった状態を肥大症といいます。肥大症は年齢と深い関係があり、40代で症状の現れることもありますが、通常50代になって現れる病気で、70歳以上のほとんどの老人は肥大症になるといわれています。肥大症は症状の進行によって三段階に分かれ、初期は排尿の回数が増えます。特に夜寝てから2、3回排尿に起きるようであれば、肥大症の確かな兆候が見られます。尿の放出力はやや勢いがなくなり、会陰部の重苦しい感じや、すっきりしない排尿に気づき始めます。さらに肥大が進むと、1回の排尿で膀胱から尿が出切らずに残尿感を感じるようになります。そして、第3期ともなれば、尿がほとんど出なくなってしまう尿閉状態になり、苦しむこともあります。排尿した後も膀胱に尿が残っているため、膀胱は拡張し、腎臓(じんぞう)からの尿の流れは悪くなり、その働きも悪くなることがあります。また下着やトイレをいつも汚すようになります。

 前立腺肥大症の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか?
 
 初期ならば薬で排尿力を強くさせる方法があります。ただ、薬での治療の場合、治癒するわけではありませんので、相当な期間、薬を飲み続けなければいけないというデメリットがあります。基本的には手術によって、前立腺を切除する方法をとります。手術後は10日前後の入院を必要とします。多忙であり、どうしても時間が取れないという方には、尿道に管を通して温める「前立腺高温度治療」による通院での治療を行う場合もあります。日常生活でのチェックポイントとしては、散歩、体操など適度な運動と規則正しい生活を心がける、入浴などで全身の血行をよくする、水分をひかえない、尿意があれば我慢せずにすぐ排尿する習慣をつけるなどが挙げられます。
 前立腺ガンについてもお聞きしたいのですが。
 
 同じく前立腺の病気ではガンの増加が懸念されています。肥大症とは発生する部位も性質も異なるため、肥大症からガンへ移行することはありません。しかし、共に症状が非常に類似しているため正確な検査前にどちらかを判断することはとても難しいといえます。また、肥大症にガンを併発している例も珍しくはありません。兆候を見逃さずに、医師の正しい診断・治療を受けることが何よりも大切です。