北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
気になる健康と医療について、
専門のお医者さんが、わかりやすく解説する情報ページです。
〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「歯並びとかみ合わせ」についてのお話を伺いました。
ゲスト/つちだ矯正歯科 土田 康人 先生
 歯並び、かみ合わせが悪いとでどのようなことが起こりますか。
 

 例えば、反対咬合(受け口)・出っ歯(上顎前突)・厳生(デコボコな状態)・開咬(前歯があいた状態)など、歯並び、かみ合わせと一口にいってもいろいろな状態がありますので、そこから生じる悪影響をひとくくりに説明することはできません。ただ、一般的なことを挙げるならば、歯並びが悪いと当然、歯ブラシがあたりにくく、磨き残しが多くなるため、むし歯や歯槽膿漏になりやすくなります。咬み合わせが悪いと、食べ物を良くかまないで、そのままに近い状態で飲み込んでしまうことが多くなるため、胃や腸にかなりの負担をかけることになります。また、運動する時に歯をくいしばることができず、頑張りがききません。さらに、口もとに自信が持てないというコンプレックスから、ストレスがたまり、歯ぎしり・肩こり、姿勢が悪くなるなどの影響を及ぼすケースも見られます。

 歯並び、かみ合わせの矯正治療についてお聞きしたのですが。
 
 出っ歯や開咬は成長の方向が問題になります。日本人の出っ歯は、上顎が大きすぎるというよりは、むしろ下顎が後ろにひけている出っ歯が多くなっています。出っ歯や、かみ合わせが深いなど、上顎の前歯が下顎の前方への成長を邪魔すると、成長の方向がより真下になり、間延びした鼻から下が長い顔になります。これに伴って、かみ合わせが浅くなったり、時には開咬にもなるケースもみられます。また、出っ歯や開咬は大人になってから、顎があかなくなったり、カクカクと音がする顎関節症になりやすいといわれています。上顎は、脳に近いため、割合早い時期に成長します。個人差はありますが、6歳ごろまでに全体の成長量の90%に達するといわれています。一方、下顎は、骨の構造が手や足の骨と同じように成長します。つまり、身長が伸びるのに比例して大きくなります。男子では、中学生から高校生にかけて、また女子では、小学校高学年から中学生にかけてが一番成長する時期です。上顎がある程度成長し終わってから、下顎が成長してくるので、出っ歯や開咬はより真下に成長し、反対咬合(うけ口)は、成長期にかけて下顎が大きく成長し、顎がしゃくれる結果となります。つまり、矯正治療においては、小学校低学年ころからの早期治療が効果的だといえます。最近、日本でも歯並びに対する意識が高まってきたのか、大人になってから矯正治療を希望される方も増えてきています。歯並びやかみ合わせについては、各人の口の中で状態は異なります。気になる方は矯正専門医に相談されることをおすすめします。