北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「歯の治療と東洋医学」についてのお話を伺いました。
ゲスト/ボストン歯科クリニック 江戸 稔 先生
 歯の臨床ではどのように東洋医学が応用されていますか?
 

 東洋医学は病気の原因を特定の部位に限定するのではなく、心と体全体のバランスをみながら治療を進めていくのが一般的です。歯の分野でいうと、歯は消化器官の入り口で体全体の健康と密接につながっています。それだけに、歯を健康にするということが大切なわけですが、残念ながら「歯医者さんはこわい」とか、「歯の治療は痛い」といった印象を持っている方がまだまだ多いようです。そういった印象を和らげ、リラックスして治療を受けられるよう、待合室のB・G・Mや、雰囲気などに気を使う歯科医が増えてきています。東洋医学をそういったことで応用するとすれば、ツボ療法などで患者の痛みを和らげ、よりリラックスした気分で治療を受けることができます。昔から中国でも、「歯のツボは心身をリラックスさせるリラクゼーションのツボ」と考えられていたようですから、低周波や温度などでツボを刺激することによってリラックスできれば、よりよい治療を受けられるものと思います

 東洋医学と西洋医学の最も異なる点は?
 
 西洋医学は人間の病気を、人間の目で見て、見える部分・症状を治療するということで今日まで発展してきました。東洋医学は病気の原因を特定の部位に限定するのではなく、患者自身の持つ自然治癒力を高めながら治療を進めていくものです。例えば、最近よく聞かれる「ヒーリング」というのも、東洋医学でいう「気」の力を利用したものです。最近は「気」による癒(い)やしやリラクゼーションなどが注目されていますが、日本でも大学や企業などで科学的に研究は進められていますし、まだまだ欧米諸国などに比べると遅れている部分があるわけです。イギリスではヒーリング(気による癒やし)が医療のサポートとして健康保険が利用できますし、アメリカのコロンビア大学でも、医師が手術後の患者の傷口にヒーリングすることによって治癒が早まることが期待できるとわかり、現在では社会保険も適用されています。
 特に先生が東洋医学を取り入れる何かきっかけのようなものがあったのですか?
 
 今までの治療方法ではどうしても良くならない患者さんが出てきたことです。例えば、重度の歯周病とか顎の痛みを訴える顎関節症、顔面神経痛などです。そこで患者さんから、日常生活を含めて徹底的に話を聞くことに集中しました。そうすると症状が少しずつ良くなっていくんです。もちろん、医学的処置は必要です。また、患者さんが心の中に描いている病気のイメージを気功を交えながら良い方向へ持っていけないかと考え治療に併用し、たいへん良い結果を出せるようになりました。そして、歯の治療をしていると同時に、体全体はもちろん、心そのものも扱っているんだということに気がついたのです。