北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
気になる健康と医療について、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「口腔健康の重要性」についてのお話を伺いました。
ゲスト/石丸歯科診療所 石丸 俊春先生
 なぜ口腔(こうくう)健康が重要なのでしょうか?
 

 口腔内の環境、温度、湿度、食物といったものが細菌にとっては最適の条件であり、口腔内には数えきれない無数の細菌が常在しています。健康時は、その細菌は一定の節度を保っていますが、病気や高齢で抵抗力が弱っているとき、誤嚥(ごえん)性肺炎に代表されるさまざまな病気の原因となります。それゆえ、口腔内を健康に保ち、清潔にすることが全身の健康に欠かせない必須(す)の条件となるのです。人の生きる活力は食べることから生まれるといっても過言ではありません。おそらく、これは普段食事をしていてもなかなか気付かないことかもしれませんが、将来、不幸にして食道へ直接栄養を送り込む経管栄養を経験するとき、今までどれだけおいしいものを食べていたのかと実感することでしょう。口から食べるという喜びを維持するためにも、口腔の健康がいかに大事かということを再認識してほしいと思います。

 具体的な口腔疾患予防・治療とは?
 
 口腔の2大疾患である虫歯や歯槽膿漏(のうろう)、その他の歯周病を防ぐためにも、歯磨きなどによって、プラーク(歯垢=しこう)形成の抑制や磨き残しの除去をする、プラークコントロールをしっかりとすることが大事です。ちなみに、プラークが影響を及ぼす時間は、およそ食後24〜48時間ぐらいであり、活動が最も盛んになるのは就寝後です。たとえ1日1回でも就寝前に、最低10分以上じっくりと歯を磨けば最低限の虫歯や歯槽膿漏の予防になると私は考えています。お酒を飲んだり、夜食を食べてそのまま寝てしまう、缶コーヒーを水代わりに頻繁に飲んでいるという習慣は最もプラークを助長させてしまう行為となりますので気をつけてください。全体的な口腔疾患予防として、子どもの乳幼時期・成長期は口腔にとって最も重要な時期となるので、あまり軟らかいものばかりを食べさせ過ぎないように注意しましょう。また、全年齢層に言えることですが、歯の治療がめんどうくさいから、歯が痛いからといって、簡単に歯を抜かないように心がけてください。最後に、MFT(筋機能訓練法)という治療法に触れてみたいと思います。これは歯列、発音障害、嚥下(えんげ)障害の治療を目的に表情筋や舌筋、咀嚼(そしゃく)にかかわる筋肉の訓練を改善する治療法で、主に歯科矯正(歯ならびの治療)や高齢者に施されます。というのも、高齢者の場合、舌機能が低下してくる時期があり発音障害などを呈するようになり、それは食欲低下や寝たきりを早めることにもつながるのです。冒頭で口腔健康は全身の健康管理に結びついていると触れたように、現在歯科医療はMFTをはじめとした、全身的な健康管理に結びつく治療が行われています。