北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「歯の矯正治療と健康」についてのお話を伺いました。
ゲスト/よこやま矯正歯科 横山 一徳 先生
 矯正治療と健康についてお聞きしたいのですが。
 

 矯正治療というと、審美的な面だけでとらえられがちですが、虫歯や歯周病、口臭、顎(がく)関節症の原因はもちろん、胃腸やホルモン分泌の働きにも影響を与え、全身的な疾患の一因となります。顎(あご)の骨や筋肉、神経の正常な発育や維持を妨げて顔の変形、咬(か)む力や脳への血流量の低下といった知能や運動機能への悪影響も考えられます。若いうちはこの影響はわずかで適応力も高いので放置されてしまいがちですが、その後、徐々に口の中の破壊が進み、何十年後には、体全体の健康ばかりでなく、味や歯ごたえを楽しむ満足感のない食事をとることになりかねません。北海道はまだまだ歯の健康に対する意識が低いようです。虫歯が痛くなってから歯科医に行くのではなく、定期的に検査を受け、予防を心がけることが必要だと思います。欧米では子どもが生まれると、子どものために矯正預金をするといった習慣があるくらいです。それだけ、社会に出ていくときに歯並びの悪さが対人関係においてマイナスになることが多いということです。

 矯正治療の診断の流れはどのようなものになりますか。
 
 歯形やレントゲン写真をとったり、顎の動きや口の中の状態を検査します。検査結果をもとに、治療方法や治療期間、費用について詳しく説明し、矯正治療に入る前に、虫歯の治療や抜歯を行います。装置をつけての治療を開始した後は、装置に合った歯みがきの指導、装置の調整を行います。歯並び、咬み合わせが良くなったら装置を外し、後もどりを防ぐ保定を始めます。歯が正しい場所で安定するように、定期的にチェックします。安定したところで、治療は終了です。
 矯正治療はいつごろから始めるのが良いのですか。
 
 顎の発育に関連した不正咬(こう)合の場合、原則的に早期治療が望ましく、計画的な治療と管理によって良い結果が得られやすいのですが、成人の方も十分治療が可能ですし、最近では高齢の方も多く治療されるようになりました。あきらめないで相談されると良いと思います。
 治療中に痛みや不快感はありませんか。
 
 ごく弱い力で少しずつ歯を動かすので想像するほどの痛みや不快感はありません。初めて装置をつけたときは、3〜4日間歯が浮いたような違和感や痛みがありますが、1週間程度でおさまります。
 矯正治療装置は目立ちますか。
 
 矯正分野もハイテク技術が導入され、装置が小型化したり、透明なものや歯の裏側からの見えない装置など改良されて目立ちにくくなっていますので、一度矯正専門医にご相談されることをお勧めします。