北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「歯科金属アレルギー」についてのお話を伺いました。
ゲスト/庄内歯科 庄内 淳能 先生
 歯科金属アレルギーについてお聞きしたいのですが。
 

 手のひらと足の裏を中心に水泡状の湿疹(しっしん)が繰り返し生じる掌蹠膿疱(しょうせきのうほう)症を引き起こすことがあります。水虫と間違えて皮膚科を訪れる患者さんが多いのですが、掌蹠膿疱症は無菌性の膿疱が主症状ですので、細菌が発見されず水虫ではないと診断されます。そこで、原因不明の皮膚病として悩むわけですが、まさか口腔(こうくう)内の歯科金属が原因だとは思いもよらない患者さんが多いようです。歯科金属アレルギーは、口腔内に歯科金属を使用して数十年たってから突然発症することも多く、すぐに症状が現れるとは限りません。というのは、歯科金属が腐食し、金属イオンが体内に吸収され、一定量を越えて蓄積された時に、体に合わないものを外に出そうとする反応、つまりアレルギー反応としてあらわれるため時間がかかるケースがあるからです。ある日、突然、花粉症にかかるのと同様に考えてもらっていいでしょう。大切なのは、口腔内の健康がいかに全身の健康に影響を及ぼしているのかをしっかり理解することです。それは、歯科金属アレルギーに限ることではなく、虫歯、歯槽膿漏(のうろう)、歯並び、噛(か)み合わせなどあらゆる口腔内の病状に当てはまることです。

 金属アレルギーの有無を判定する方法はありますか。
 
 金属アレルギーの有無は、血液検査やパッチテストで判定することができます。パッチテストでは、パラジウムなど歯科治療に使用される歯科金属に対応した18種類のばんそうこうを背中に張り、どの金属に反応しやすい体質なのかを調べます。当院では歯科金属による治療を要する場合には、パッチテストによる検査をしていますが、実際にはパッチテストは広く普及しておらず、検査の設備を整えている歯科医はほとんどないというのが現状です。
 金属アレルギーと診断された場合、歯科金属を利用することはできないのですか。
 
 健康と安全性を考えれば使用すべきではありません。原因不明の病気であれば口の中に原因があるケースも珍しくありませんから、その場合はオールセラミックやハイブリッドセラミックを歯冠修復にお勧めします。しかし、どうしても金属を使用しなければならない場合、安心できるのは純チタンです。ただ、保険の制度上の問題で、これらの金属の使用には保険が適用されず費用がかさんでしまうという欠点があるのが現状です。「災いは口の中の病気で始まる」というくらい、全身に病気が広がることもあります。それだけに歯科金属アレルギーだけにかかわらず、かみ合わせ、歯並びなど、口の中の病状をしっかり管理することが重要だといえます。