北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「痔」についてのお話を伺いました。
ゲスト/札幌いしやま病院  樽見 研 先生
 痔についてお聞きしたいのですが。
 

 痔という言葉は肛門にできる病気の総称であって、ひとつの病気を指しているのではありません。しかしそのほとんどは、肛門の閉鎖に役立っているクッションと呼ばれる静脈がうっ血、肥大する痔核(通称いぼ痔)、排便時に肛門が裂けて切れる裂肛(通称きれ痔)、肛門のまわりに膿(のう)のトンネルができている痔瘻(ろう)の3種類からなります。種類によって原因も違えば症状も違います。痔核と裂肛は手術が必要になるまで進行している例は少なく、座薬、内服薬を併用しながら排便習慣を整えることによって治ります。痔瘻は手術しか治す方法はありません。昔、痔の手術後は痛みとの戦いでしたが、最近は研究が進み、手術方法も改良され術後も痛みは少なく、あっても鎮痛剤の服用でコントロールできる程度です。

 痔瘻についてお聞きしたいのですが。
 
 痔瘻の手術は痔の手術のなかでも最も難しく、特に複雑な痔瘻は手術をしても再発を繰り返すケースが多く見受けられます。痔瘻は簡単にいうと膿のトンネルですが、複雑な痔瘻ではこのトンネルが肛門括約筋を貫いて奥の方まで走っています。トンネルを肛門括約筋ごとざっくり取ってしまえば肛門が変形したり、肛門のしまりが悪くなってしまいます。また、肛門括約筋に遠慮しすぎるとトンネルを取りきれずに痔瘻が再発しやすくなります。最近では痔瘻を完全に切除し、なおかつ肛門の機能も温存するために、わざと2〜3回に分けて手術する方法も行っています。
 日常生活で痔を予防するには。
 
 痔を良くするのも悪くするのも肛門の健康管理次第です。虫歯を治療しても歯磨きをさぼれば、また虫歯になるのと同じように、痔を治しても肛門の健康管理を怠ればまた痔になります。まず、排便をきちんと習慣づけることが大切です。便秘は痔にとってはもちろん、大腸癌にとっても危険因子です。便の材料になる食物繊維をたくさん接取するといいでしょう。また、水分を多く取ることも、便を膨化させ良い便を作り出すのに効果があります。次に、適度なスポーツも、血行を促進し肛門部のうっ血を取り、痔の予防や治療に役立ちます。腸の動きも活発にするので便秘にも効果的です。しかし、スポーツといっても種類によってはお尻に無理な力がかかり、痔の原因になったり、悪化させたりするので注意しなければなりません。痔ほど素人判断が横行し、そのために患者さん自身がつらい思いをしている病気はありません。肛門に痛み、違和感を感じるようであれば、また排便時に出血が見られるようであれば、早急に専門の病院で診断、治療を受けて下さい。