北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「骨粗しょう症」についてのお話を伺いました。
ゲスト/クラーク病院 整形外科 堤 正樹 先生
 骨粗しょう症についてお聞きしたいのですが。
 

 骨は体の中に作られてから一生そのままの状態にあるわけではありません。少しずつ部分的に作り替えられています。古くなった骨の部分を破骨細胞が溶かして消し去り、骨芽細胞が新しい骨を作り出します。この繰り返しは、主に骨格の成長が終了した成人の骨の表面で起こり、必要に応じて全身状態に対応してコントロールされています。骨粗しょう症とは、骨の量の減少と構造の異常により骨の強度が弱まった状態です。簡単にいえば、骨の中がスカスカになった状態をいいます。骨を家にたとえるならば、家の中の柱が一本ずつ折れていくようなものです。目には見えないミクロな骨折ですが、痛みを伴います。症状は、脊椎(せきつい)骨、大腿(だいたい)骨、特に股(こ)関節に顕著に現れます。最も多く見られるのが、高齢に伴う「老人性骨粗しょう症」です。脊椎骨が上下にへこんでしまう変化をきたし、圧迫骨折が起こりやすくなります。また、背中や腰の筋力の低下とともに、俗にいう猫背の原因ともなります。50〜60代の閉経後の女性に多く見られるのが、女性ホルモンの失調が原因とされる「閉経後骨粗しょう症」です。この場合、急激に症状が進行することも多く、特に注意が必要です。なかには、ベットから降りただけで、骨折してしまい来院された患者さんもいます。女性ホルモンは計測できるものですから、閉経前後から年に2度ほどは、専門医によるメディカルチェックを受けた方がいいでしょう。「閉経後骨そしょう症」は、ホルモン療法によってかなりの回復が見込まれます。

 日常生活で、骨粗しょう症の予防する方法はありますか。
 
 骨粗しょう症といえば、すぐにカルシウム不足を思い浮かべる方が多いと思いますが、それだけでは予防に不十分です。実際には、カルシウム不足が直接の原因となるケースはそれほど多くはありません。もちろん、極度のカルシウム不足は、原因のひとつとなりますから、適度な摂取は必要です。ただ、余剰分が吸収されることはないので、過剰な摂取には何の意味もありません。食生活からの予防では、活性型ビタミンDの働きが重要です。日光によって活性化するビタミンであり、腸管からのカルシウムの吸収を促進する働きがあります。また、納豆などに含まれているビタミンKが骨の維持に効果があることも、疫学的な調査の結果から分かっています。骨に対する荷重は、骨内血流を増やし、骨芽細胞の活性化にも役立ちます。つまり、運動も骨粗しょう症の予防には不可欠といえます。今まで車で移動していたところを歩きにしたり自転車に乗ってみたりするなど、日常生活で楽している部分を見直すだけでも長期的には予防効果が上がります。