北海道新聞メディカルガイドの連載
「いきいきゼミナール健康と医療」取材記事を中心に、
気になる健康と医療について、
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〜お医者さんに聞いた、病気のあれこれ〜
今回は「肝臓病」についてです。
ゲスト/浜田内科消化器科クリニック 浜田 結城 先生
 肝臓病についてお聞きしたいのですが
 

 肝臓は人間の体の中で、皮膚を除いて、最も大きな臓器であり、生命を維持するための「代謝のセンター」という大事な役割を担っています。肝臓にひとたび障害が起こると、日常生活の営みにおいてさまざまな不都合が生じてきます。しかしながら、肝臓は、再生能力の極めて旺盛(おうせい)な臓器であり、予備能力の大きな内臓です。そのため、軽い障害では症状がまったく表れず、「沈黙の臓器」という言葉で表現されるのです。時に、病気が進行していながら、なかなか症状が前面に表れないため、本人は健康体であると思い込んでいるケースがしばしばみられます。しかも、肝臓病の自覚症状がそろうころには、すでに病気そのものが末期に至っていることも多いという点で恐ろしい疾患といえます。肝臓病は、「急性期の肝障害(急性肝炎)」と「慢性期の肝障害(慢性肝炎、肝硬変、肝がんなどの慢性肝疾患)」に分類されます。急性期肝障害は、一般的には一過性であり、劇症化を回避できれば予後は良好で、ほとんどの場合後遺症を残しません。慢性期に移行した場合、原因および治療によりますが、あるものは慢性肝炎、肝硬変へと進展し、あるものは軽微な肝障害で終わることもあります。

 肝臓病とアルコールの関係についてお聞きしたいのですが。
 
 アルコールは肝臓で代謝され、最終的には水と二酸化炭素に分解されます。毎日、日本酒換算で3合(ビール大ビン3本)以上を5年間以上飲み続ける人を常習飲酒家といい、肝障害の発生率が高くなります。肝障害のパターンとしてはアルコール性肝炎、さらには脂肪肝、肝線維症、肝硬変へと進展していきます。線維化が進まな い時点で禁酒すると、正常肝へ戻りますが、それ以上に進展した場合は不可逆的変化となります。しかしながら、アルコールは、多臓器障害性の高い物質で、たとえ肝硬変に進展しなくとも、糖尿病、心臓病、アルコール依存症、痴呆、あるいは通風、高脂血症の増悪化などさまざまな症状を引き起こします。
 どのような症状を自覚したときに肝臓病の疑いがありますか。
 全身のけん怠感・食欲の低下・二日酔いが残りやすい、以前よりも早く酔いがまわるなどのアルコールに絡んだ症状・尿の黄色みが強くなる・背中の右側が凝る、右脇(わき)腹に鈍痛があるなどの右腹部の自覚症状・手のひらが赤い、吹き出物が出やすくなるなどの皮膚の変化、眼球結膜の黄染・鼻血、青あざなどの出血傾向 。これらの自覚症状は、肝臓病の存在を念頭に置くべき重要な兆候です。ほんの少しでも肝臓病の疑いがみられるならば、すぐにかかりつけの医者に肝臓の検査をしてほしい旨を伝えてください。血液検査を施行し、異常所見があれば、「肝臓病を専門に診ている医者」を紹介してもらうことが望ましいでしょう。